:《2025年東京モーターショー前夜:次のトヨタも、やはりトヨタ》
トヨタは長年にわたり世界販売台数で首位を維持しているが、電動化が急速に進む中国市場では、トヨタをはじめとする一部の多国籍自動車メーカーがやや勢いを失っているように見える。その一方で、中国自動車メーカーは「次のトヨタ」になろうと懸命に追い上げている。
世界の自動車産業が大規模に電動化を進める中で、ガソリン車の衰退は避けられない。しかし、テスラやBYDが描いたような「新エネルギー自動車が完全に主流となる時代」は、まだ到来していない。多くの自動車メーカーが電動化シフトの速度を緩め、ガソリン車の生産終了を先送りし、販売目標を引き下げる中、もはやガソリンエンジンの研究開発に力を注ぐことは時代遅れとさえ言われるようになった。
そんな混沌とした状況の中で、最も大きな勝者となったのがトヨタであり、むしろ唯一の成功者と言っていい。トヨタは逆風の中でも着実に成長し、ハイブリッド車だけで販売を伸ばし続け、世界販売首位の座をますます盤石なものにしている。
10月30日に開幕する東京モーターショー(現在は「ジャパンモビリティショー」に改称)では、そのトヨタの強さの秘密が垣間見えるだろう。動力源がどれだけ変わっても、「次のトヨタ」は結局トヨタなのだ。